東川アウトドアフェスティバル

東川アウトドアフェスティバル

2014年11月1日土曜日

カムイミンタラ

2014年の1月に撮影したものです。この日は前日から旭岳で星空の写真を撮っていました。夜の間もずっと晴れていて、旭岳でこんなに晴れるのは月に数回。ついつい夜通しで撮影した朝です。家に帰ろうとして山を下っているときに振り返ると、山がくっきりと見えていました。そのまま急いで家に帰って望遠レンズを持って、この場所まで行って撮ったものです。
 自分にとって旭岳はとても特別な山です。もう14年前ですが、1年くらいのバイトのつもりで東川に来たんです。それまでは山登りなんてまったく興味なかったんですが、ここに来て旭岳で山登りの面白さを知ってしまいました。旭岳に出会って、いろんな人に出会って。気がついたらそのまま居着いていましたね。

It's coming!

ロープウェイがオープンした初日、シーズンが始まった!とか、滑れて嬉しいっていう純粋な思いが写真の二人から伝わってきて。それを撮ったものです。被写体は東川町でガイドをしている二人です。この二人が滑っているっていうのは聞いていたので、ロープウェイ乗り場の脇で待ち伏せしていました。そしたら、良かったわ~っていう表情で下りてきたんです。何枚か同じような構図で撮ってたんですが、その中でいちばん笑顔がいいものを選びました。シンプルな写真ですが、滑ることの嬉しさをストレートに現せたのではないかと思っています。

純粋なる想い

「Field Earth(フィールドアース)」は大雪山を滑るためにデザインされたスキーとスノーボードのブランドです。その独特な形状をしたスキーを買いたくて問い合わせたら在庫があるということで、直接事務所にうかがいました。代表の本村さんとは初対面でしたが、Field Earthのなりたちやもの作りへのこだわりなどをとても丁寧に教えていただきました。自分にも思い入れのある大雪山への気持ちや滑ることに対する向き合い方など、本村さんのピュアな想いにとても共感したんです。それで、撮らせてくださいとお願いしました。大型ストロボを使ったりして撮影そのものは大がかりにはなりましたが、なるべく自然な光になるようにライティングしたつもりです。カメラはハッセルブラッド。フィルムは人物撮影に定評のあるコダックのポートラを使いました。

BLUE BIRD

旭岳の北側では、東側(東川町市街)から見たのとは違った穏やかな地形が続いています。写真は間宮岳という山の頂上近くですが、とてもなだらかで頂上がどこなのかハッキリしないほどです。このあたりは富士山や立山と並んで国内で永久凍土が存在する数少ない場所。規則的なでこぼこは永久凍土の特徴です。盛り上がった部分には草が生え、アースハンモックとも呼ばれています。特別な場所で見た夏らしい爽やかな青空。その青の美しさを、正方形フォーマットのフィルムで写し取りました。見渡しているのは四角友里(よすみゆり)さん。今年8月、東川町で開催されたトークショーの後、何人かと旭岳を歩きに行ったときのものです。

今日の青い空


2014年2月末の厳冬期に、スキーヤーの仲間二人と富良野岳に出かけました。夜中にベースキャンプを出発してハイクアップを始めましたが、ものすごく気温の低い日でした。しかも稜線では風が強くて、雪もほとんど飛ばされている。カリカリの尾根で足もとも不安定。風で体感温度はマイナス30度くらいまで下がるという、本当に厳しい条件でした。このままでは滑れないということで、日が昇る頃に尾根の風裏に回ったんですが、そこは別世界でした。風もなくて雪もキレイに着いている。しかも朝日に照らされて体感温度も上がってくる。それでも朝の冷え込みを残している雪は完全なドライパウダー。ターンするたびに、雪が煙のようにたなびいて空に映える。シンプルな景色なんですが、とても美しく思えました。
 ちなみにギャラリーでは忠別ダムで配布していた流木を使った、手作りの額で展示しています。

滝の瀬十三丁/クワウンナイ

昨年9月、天人峡からヒサゴ沼まで「クワウンナイ川」の沢登りに出かけました。一緒に行ったのは山好きや写真好きの仲間たちです。みんな遊ぶのが大好きだし、写真も撮りたいし。きっと予定通りには行かないと思って余裕のあるスケジュールを組んだんですが、誰かが写真を撮り終わったら、別の誰かが腰を据えて撮り始める。結局、普段なら1時間くらいでいけるところを半日もかかって歩くような行程になりました。でも、それくらい夢中になるような景色が広がっている大雪山の自然の奥深さと、山登りでは味わえない沢登りの楽しさ、気の合う仲間と歩く高揚感を味わえた、まさに夏休みの一日でした。写真はいちばん楽しかった場所。1.4kmものナメ(緩い岩の斜面を滑るように流れる滝のこと)が続く「滝の瀬十三丁」です。